国会の場合は、通常国会の冒頭で内閣総理大臣が行う演説を施政方針演説としています。町では、横瀬町議会の3月定例会において、町長が施政方針を述べています。
施政方針とは、その1年間の町政運営の基本方針として、政策の姿勢を示すとともに、翌年度の主要事業や予算についての方向性を示すものです。
横瀬町議会令和2年3月定例会 施政方針
本日、一括上程されました令和2年度一般会計予算、各特別会計予算の審議をお願いするに当たり、私の施政方針を明らかにし、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご支援を賜りたく存じます。
基本方針
令和元年度は、10月の台風19号による被害、あしがくぼの氷柱を閉鎖せざるを得なかった記録的な暖冬によるマイナスの経済効果、そして未だ終息の気配がない新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応など、町が様々な想定外の脅威にさらされた、さながら“試練の年”となりました。
そのようななか、想定外の対応を迫られる状況で、町や地域のことに協力を惜しまない町の皆さんの存在がありがたいと感じたことは一度や二度ではありません。“試練の年”は、ずっと昔から綿々と積み上げてきた横瀬町の協働の精神、連携力の強さ、住民パワーをあらためて実感した年でもありました。いざという時に、協力し合える、助け合えるという、この町のよき伝統を培ってきた先輩諸氏、そして町民の皆様にあらためて感謝を申し上げたいと思います。
私は、町長就任以来、この町を「日本一住みよい町」、「日本一誇れる町」にするという目標を掲げ、この町が持続していくための最大の懸念事項である人口減少に正面から向きあい、町として組織的に粘り強く、人口減少を抑制する努力、そして備える努力をすることを一貫して政策の大方針としてきました。「この町の未来を変える。変えられるのは私たちだけ。」という合言葉を職員と共有し、第5次総合振興計画後期基本計画及び地方創生総合戦略に基づく各施策を実行に移してきました。そして今年度は、第5次総合振興計画後期基本計画及び地方創生総合戦略の最終年度であります。
最終的な評価は、3月末の着地を見てあらためて整理しますが、現状では、出生数の減少抑制、合計特殊出生率の上昇、転出超過数の改善、健康寿命の延伸、観光入込客の増加、ふるさと納税の増加等多くの重要な指標で状況好転や伸長の数字がでてきています。一方、町内における創業件数は増加傾向にあるものの、町内事業所の新規雇用者数では、減少傾向がみられ、依然として課題となっています。
戦略的に設定した目標値の達成度は項目によってバラツキあるものの、全体的には肯定的に捉えられる状況といえます。加えて、メディア露出増加に伴う町の知名度向上、関係人口の増加、若い世代による起業や移住の動きなどで、これまでの取り組みの成果が顕著に表れてきています。とりわけ、これらの成果が、官民連携、官学連携、地域連携など取り組みを工夫することで、大きな財政的な負担を負うことなく、財政的な規律を保ったまま達成されていることは、われわれ横瀬町として、誇ってよい状況だと考えます。まだまだ横瀬町は、「これでいい」という状況にはなく、人口減少が続く未来を変えるチャレンジ(挑戦)が必要な状況には変わりないですが、「町の未来は変わり始めている」との確かな手ごたえを感じています。
これらを踏まえて、いよいよ令和2年度は第6次総合振興計画のスタートの年となります。なお、第6次横瀬町総合振興計画は、第2期横瀬町地方創生総合戦略を含むものとなります。
第6次総合振興計画では、最終的に目指すべき「日本一住みよい町」、「日本一誇れる町」にむけて、「多様性」を大切にし、「四季折々の美しい色彩豊かな景観があって、そこに暖かい人の輪がたくさんある。その一人一人はいろいろな人がいて、皆その人らしく幸せに生きている」というまちづくりを目指します。
そこでは、計画の7つの柱として、
① 人づくり、
② 健康づくり、
③ 安全安心づくり、
④ 産業づくり雇用づくり、
⑤ 賑わいづくり中心地づくり、
⑥ 景観環境づくり、
⑦ 人の輪づくり、
を掲げ、これまでの取り組みをより深化させ継続し、また、世の中の変化に応じて柔軟に、そして町民及び町に関わる全ての人と一緒に、各施策に取り組んでいきます。この7つの柱には、これまでの縦割りの課単位ではできない事業が多く含まれます。横瀬町役場は一丸となり、課横断的に取り組んでいきます。また、これらの実行のために、広域での連携、官民連携、人に優しいテクノロジーの利活用等を積極的に進めてまいります。
7つの柱は、「人づくり」で始まり、「人の輪づくり」で終わります。横瀬町の施策の中心は、「ひと」です。「一人一人はいろいろな人がいて、皆その人らしく幸せに生きている」状態を目指していきます。そのなかで、本計画より、持続可能な開発目標(SDGs)の考え方も本格的に取り入れ、地域の課題解決を図ると同時に、SDGsの基本的な考え方である「誰一人取り残さない」を十分に意識して、協働参画の推進など、多様性を尊重した「カラフルタウン」を目指します。令和2年度は、東京でオリンピックが開催されるという稀なチャンスのある年です。この機会も活かして、町の子どもたちが世界や多様性に触れる機会や、国際交流の機会等積極的に創出していきたいと考えます。
令和2年度は、第6次総合振興計画のスタートとなる重要な年ですが、同時に、令和元年度“試練の年”から立ち上がる年でもあります。“試練の年”は、私たちに、激しく損傷した道路や経済的なダメージや感染症への大きな不安などをもたらしました。一方で、期せずして、私たちはこうした時にしかできない貴重な経験値を積み上げることになりました。「ピンチはチャンス」といいます。今年度、積み上げた貴重な経験を財産として、来年度以降の町政運営に活かしていきたいと考えます。防災力の向上や地域活性化の一層の工夫など、今年度の経験を活かし、来る令和2年度は「ピンチをチャンスに変える」年にする、という強い想いで臨みたいと考えます。
令和2年度 重点施策
令和2年度は、横瀬小学校校舎整備事業、台風19号被害からの復旧復興、防災行政無線デジタル化、などの大きな事業の他、7つの柱の各分野において、今、町民の皆様に必要なこと、そしてより良い未来をつくるために必要なことを、財政的なバランスを意識しつつも積極的に計上した予算編成としました。
第6次総合振興計画に掲げた7つの柱ごとに、令和2年度予算における重点施策を申し上げます。
まず、1つ目の「人づくり」です。これは、切れ目ない子育て支援と教育の連携により、変化の激しいこれからの未来を楽しく、たくましく生き抜ける人を育てることを目標としています。令和2年度、いよいよ横瀬小学校の校舎整備事業がスタートします。新校舎完成までに3年を要する大事業で、子どもたちばかりでなく、全ての町民から愛されるような施設の建設を目指します。また、横瀬小学校と横瀬中学校におきまして、学校教育におけるICT環境の整備に向けたネットワーク機器等の整備を行うとともに、次世代の学校教育ICT環境の整備、安全な情報ネットワークの管理運用に向けた検討を行っていきます。また、中学生の国際交流事業を令和2年度も実施します。子育て支援の推進としましては、「はぐくみ相談事業」や「すきっぷ教室」などを実施するほか、「小児科オンライン」「産婦人科オンライン」の継続や子育て世代包括支援センターの強化、保育所民営化を見据えた諸調査、園児とご家庭への支援の検討など、子育て世代に安心をもたらす事業に取り組んでいきます。
2つ目の「健康づくり」では、超高齢化社会、人生100年時代を見据えた予防と福祉を充実させ、高齢者や障がいのある方にも優しい、全ての人が健康に暮らせることを目指します。
疾病の早期発見から、早期治療に繋がる「がん検診事業」の実施、健康増進と生活習慣病の予防・改善を目的とした「健康マイレージ」や「ウォーキング教室」などの実施のほか、3年目を迎える「アクティブシニア推進事業」では、引き続き、60歳以上のシニアの皆さんにも、様々な分野で地域社会の担い手となって活躍していただくための各種事業を行っていきます。さらに、『障がい者計画』と『高齢者福祉・介護保険事業計画』を策定し、障がい者等の支援、あるいは介護保険被保険者、高齢者等の支援を計画的に進めていきます。
3つ目の「安全安心づくり」では、防災、防犯、防火対策や、交通安全対策を推進し、子どもから高齢者、障がいのある方など全ての人が安全で安心に生活できる環境をつくることを目標とします。
まず、今年度から引き続いて、令和元年10月の台風19号被害の復旧工事を町内各所で行ってまいります。「防災行政無線のデジタル化」を令和2年度に完了させるほか、横瀬町消防団第2分団の消防自動車の入替、防災備蓄品等の購入など、住民の生命、財産を守るための備えを進めていきます。さらに、防災活動を効果的に実施するため、国土強靭化地域計画を策定し、『地域防災計画』を改訂します。地域公共交通の面では、路線バスへの補助、ブコーさん号の定期運行で町民の利便性を確保するとともに、町民にとってより利便性の高い今後の方向性を検討します。町民の生活道路である町道につきましても、町道3175号線、町道5号線の整備工事を継続して進めるほか、緊急性・必要性などに基づいて、順次整備を行っていくとともに、橋梁の長寿命化修繕工事を実施します。また、旧芦ヶ久保小学校裏の急傾斜地崩壊対策として、落石防護ネット工事を行います。
4つ目の「産業づくり雇用づくり」では、移住促進や、農業・商工業の振興を図ることで、ヒト・モノ・カネ・情報が集まり続け、自分らしい多様な働き方や生き方が実現できる環境を目指します。
これまでに、民間活力を取り入れる独自の仕組みである「よこらぼ」や地域おこし協力隊制度の積極的活用により、町の知名度アップとファンづくり、町外の人とのつながりを促進、町の外から「ヒト・モノ・カネ・情報」を積極的に取り入れることで、「関係人口」づくりを進めてきました。その上で、「関係人口」から「実際の人の流入と交流」や「経済効果」につながる流れを作ることを目的に、人が交流できる「場づくり」を進め、町民が楽しみ交流する機会の増加、複業や二拠点居住による起業等の増加、都市部の企業や人との行き来の増加という新しい流れの創出を目指してきました。今年度の、エリア898や、「よこらぼ」から生まれた川西地区の「コミュニティスペースさくらんぼ」などはその動きの始まりと言えますし、若い世代の移住、起業、地域おこし協力隊員の町への定着など、少しずつ手応えを感じるところまで来ました。
令和2年度は、これらの動きを更に加速、充実させていき、さらに町民の皆様に実感していただける成果につなげていきたいと考えます。7つの柱のもとに、世の中の変化に対応し、柔軟にかつ確実に進めていきます。
さらに、UIJターンを促進するため、東京圏から移住してきた起業者へ、支援金等を交付する「移住就業等支援金支給事業」や、移住して秩父地域内外の企業就職者への支援となる「定住就職促進奨励金事業」などを実施します。ふるさと納税の返礼品や特産品の開発も引き続き行い、寄付受入額の増加を目指すと同時に、町内の経済循環の活性化も図ります。また、令和2年度から活用しやすくなる企業版ふるさと納税の活用を検討します。集落支援員を設置して、耕作放棄地の対策を強化し、農家への支援・目配りなどを行っていきます。今年度導入された森林環境譲与税を財源として、間伐等で林業の活性化を図ります。
5つ目の「賑わいづくり中心地づくり」では、オープン・アンド・フレンドリーを町の特徴として、観光などで訪れる交流人口や、地域の人々と多様に関わる地域外の関係人口の増加を図ることで、賑わいをもたらします。また、駅やコミュニティスペースなど町の主要施設を活用し、中心地として活性化を図ります。
まず、都市農村交流のシンボルである寺坂棚田におきましては、遊歩道を整備します。観光イベントも横瀬らしい企画として「里山まるマルシェ」「大学連携・町歩きイベント」「クアオルト健康ウォーキング」などを開催し、広く参加者を募集するほか、道の駅果樹公園あしがくぼの整備、交流人口確保に貢献する横瀬町観光協会への支援を継続します。武甲山について、観光トイレの整備調査・予備設計を行うほか、花咲山公園の整備などをすすめていきます。また、長期的な視野に立ち、持続可能な都市運営を目指した『都市計画マスタープラン』を作成するとともに、「まちなか再生事業」での成果である『まちづくりプラン』などを参考にして、兎沢町有地周辺の活用計画も引き続き検討します。その他、土地の正確な境界、面積、地目等を明らかにするための地籍調査を継続します。また、5年に1度の国勢調査を実施します。
6つ目の「景観環境づくり」では、自然を大切にし、美しい景観と暮らしやすい住環境が整った、自然と共存する暮らしをはぐくみます。また、空き家や遊休農地を有効活用し、持続可能な生活環境を整えます。
令和2年度は、とりわけ、今後ますます重要な課題となっていくと考えられる、空き家の有効活用策に着手します。空き家については、全町的な空き家調査を実施し、危険空き家への対応と、優良空き家の有効活用促進を実施します。「住宅環境改善促進補助事業」では、既存住宅のリフォーム工事に対する補助を行い、居住環境の向上及びクリーンエネルギーの普及促進を図るとともに、増加傾向にある空き家の有効活用を目指します。さらに、危険なブロック塀の撤去補助と、老朽空き家の除却補助も引き続き行います。また、『生活排水処理基本計画』を見直し、水質浄化を推進します。令和2年度も引き続き、特定環境保全公共下水道の整備を行うとともに、浄化槽整備区域内での市町村設置型浄化槽の設置促進にも一層力を入れてまいります。また、広域連携分野については、これまで着々と積み上げてきた秩父郡市1市4町の連携をより密にし、きたるべき水道料金の統一やし尿処理事業の広域化をはじめとする諸課題への取り組みを進めていきます。
最後に、7つ目の「人の輪づくり」は、温かい人の輪がたくさん生まれ続け、豊かな多様性があふれる町を目指します。
まず、オリンピックイヤーとして、小中学生80名が新国立競技場でオリンピックの陸上競技を観戦するほか、パラリンピックの採火式イベントを町内で実施するなどをはじめ、世界を肌で感じてもらう機会を積極的につくっていきます。また、「よこらぼ」による幅広い事業の受け入れを継続し、「地域おこし協力隊推進事業」においても、令和2年度中に、新規募集を実施します。引き続き、町の様々な分野において、能力をいかんなく発揮していただくことを期待します。また、新規事業としましては、「国際交流推進事業」と「結婚新生活支援事業」があります。前者は、町内の外国人居住者にアクセスし、外国人向け町紹介パンフレットを作成したり、多文化共生セミナーを開催したりするものです。後者は結婚に伴う新生活のスタートアップに係るコストを支援する事業です。一方、スポーツを通じた元気な町づくりの一環として、町民グラウンドAコートに防球ネットを新設し、利用環境を改善します。令和2年度は、町民会館や総合福祉センターなどのコミュニティ拠点施設に、新たにエリア898が加わり、町民同士あるいは来街者との交流の場として、人の輪の広がりが大いに期待されます。このほか、内外から評価の高いヨコゼ音楽祭や音楽によるまちづくり事業、町民文化祭、さらには、よこぜまつり、町民体育祭などを引き続き開催し、町が住民パワーで活気づくことを目指します。
以上、基本構想に掲げる7つの柱実現に向けた、令和2年度の重点施策を申し上げました。
続きまして、令和2年度予算の概要です。
令和2年度予算概要
議案第21号 令和2年度横瀬町一般会計予算
議案第22号 令和2年度横瀬町国民健康保険特別会計予算
議案第23号 令和2年度横瀬町介護保険特別会計予算
議案第24号 令和2年度横瀬町後期高齢者医療特別会計予算
議案第25号 令和2年度横瀬町下水道特別会計予算
議案第26号 令和2年度横瀬町浄化槽設置管理事業特別会計予算
の概要を申し上げます。
令和2年度は、『第6次横瀬町総合振興計画』の初年度にあたり、「日本一住みよい町、日本一誇れる町」の実現に向けて、新たな一歩を踏み出す重要な一年となります。
町の財政状況は依然として厳しい状況にありますが、町民と行政が一体となって、第6次総合振興計画にある目指すべき町の姿である「カラフルタウン」に向かって取り組んでいけるような予算を編成しました。
編成にあたっては、従来の「積み上げ方式」ではなく、「枠配分方式」を採用しております。これにより、職員一人ひとりが、貴重な財源を、優先化、重点化すべき行政課題に集中させ、現在と未来に向けた投資を有効に実施していく予算を編成しました。その概要を申し上げます。
令和2年度の予算額は、一般会計42億3,500万円、特別会計5会計合計20億2,345万円で、全体での総額が62億5,845万円となりました。
続きまして、予算の主な内容を申し上げます。
まず、一般会計ですが、歳入歳出予算総額42億3,500万円は、前年度と比較して、6億3,100万円の大幅な増となりました。
歳入予算の柱である町税は、11億2,555万8千円で、歳入の26.6%を占めますが、前年度と比較して、727万6千円の減額となります。このうち、町民税は、前年度より493万5千円の減額を見込んでおり、固定資産税も、前年度より384万8千円、率にして0.6%の減となりました。これは、家屋分は増額を見込んでおりますが、償却資産分が減額となることによります。
続いて、地方交付税は、前年度の交付実績等により、普通交付税9億5,665万円、特別交付税1億2,484万9千円を計上し、歳入の25.5%を占めています。
国庫支出金は、児童手当国庫負担金、子どものための教育・保育給付費国庫負担金が1億5,811万円、社会資本整備総合交付金1億1,024万6千円、障害者自立支援給付費国庫負担金6,301万1千円、公立学校施設整備費国庫補助金2,551万円などで、前年度比43.5%の大幅増、3億9,651万8千円を計上しました。
県支出金は、子どものための教育・保育給付費県負担金3,634万4千円、障害者自立支援給付費県負担金3,150万5千円、国民健康保険及び後期高齢者医療保険にかかる基盤安定負担金3,051万7千円、地籍調査事業費県補助金1,254万円などで、前年度比0.8%減の2億2,176万円を計上しました。
町債は、秩父広域市町村圏組合の水道事業に対する出資債7,630万円、町道改良事業債などの土木債に1億690万円、防災行政無線デジタル化事業に充当する緊急防災・減災事業債が2億5,330万円、臨時財政対策債1億1,750万3千円を見込んだほか、学校建築関連で、公共施設等適正管理推進事業債などの教育債が1億8,200万円で、合計7億3,600万3千円となり、前年度比113.2%、3億9,075万3千円の増額となります。
続きまして、歳出について性質別に主な内容をご説明申し上げます。
人件費は、7億8,374万7千円で、歳出全体の18.5%を占めており、前年度と比較して8.9%、6,431万7千円の増額となります。
物件費は、6億4,955万9千円で、全体の15.3%を占め、前年度と比較して5.9%、4,071万9千円の減額ですが、主な事業としては、地域おこし協力隊活動業務委託料、固定資産税土地評価基礎資料作成業務委託料や、地籍調査業務委託料、地域防災計画策定業務委託料などがあります。
扶助費は、総額で5億827万6千円となり、前年度と比較して4.5%、2,209万6千円の増ですが、このうち最も多くを占めたのが管外保育所運営費委託料で、1億7,544万9千円となります。
補助費等は、5億3,726万9千円の計上で、歳出の12.7%を占めていますが、この大半を占めるのが秩父広域市町村圏組合への負担金で、3億4,609万5千円となります。
普通建設事業費は、8億4,958万8千円で、前年度より135.9%、4億8,949万5千円と大きく増加していますが、主なものとして、横瀬小学校校舎整備事業2億2,788万円、社会資本整備総合交付金町道整備事業2億3,597万円、防災行政無線デジタル化整備工事2億2,873万4千円などがあります。
公債費は、3億625万円を計上しました。前年度と比較すると、5.4%、1,558万8千円の増額となっています。
続きまして、特別会計です。
まず、国民健康保険特別会計ですが、国民健康保険制度は、平成30年度から埼玉県が財政運営の主体となり、町は窓口業務を担当しています。
予算総額は、7億8,251万6千円で、対前年度比7.3%の減となっています。歳入において、国民健康保険税は1億5,274万5千円で、対前年度3.6%、567万円の減額となります。
歳出は、保険給付費が5億6,197万8千円で、全体の71.8%を占めていますが、前年に比べ5,564万2千円の減額となります。
今後も、各種検診などを継続し、医療費の抑制に努めていきます。
次に、介護保険特別会計ですが、予算の総額は、7億6,709万1千円で、前年度と比較して、0.8%、642万5千円の減額となります。
歳入のうち、保険料は1億6,593万9千円、支払基金交付金は2億122万9千円を計上しました。
歳出については、保険給付費7億1,663万8千円、地域支援事業費が3,877万9千円で、全体の98.5%を占めています。
続いて、後期高齢者医療特別会計についてご説明します。
後期高齢者医療制度は、町と埼玉県後期高齢者医療広域連合とが連携して運営しています。
予算総額は、1億947万4千円で、対前年度4.8%、548万4千円の減額となります。
歳入は、保険料と一般会計からの繰入金で、歳出は、広域連合への負担金が総額の98.3%を占めています。
続きまして、下水道事業特別会計についてご説明します。
予算総額は、3億310万1千円で、対前年度14.5%、3,844万3千円の増額となります。
歳入は、使用料4,265万8千円、一般会計繰入金1億4,583万8千円、町債7,260万円などがあります。
歳出は、事業費1億6,690万5千円と、公債費8,039万5千円で歳出の81.6%を占めています。
最後に、浄化槽設置管理事業特別会計ですが、予算総額は6,126万8千円で対前年度9.7%、540万円の増額となります。歳入については、浄化槽使用料735万5千円、国庫支出金1,809万6千円などを計上しており、歳出につきましては、浄化槽設置管理事業費を5,161万円計上しています。
以上、「施政方針」及び「令和2年度予算概要」について述べさせていただきました。
議員各位並びに町民の皆様には、行政運営により一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。